【ベアリング業界の統合から見えるDXの本質】AI・アジャイル時代に求められるのは「完成品」ではなく「素早く改善できる仕組み」
"完成品"を目指す時代は終わり。"育てるシステム"がDXを支える。
2026-06-30

DXというと、AIの導入や最新技術の活用を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。しかし実際には、競争力を左右する要素は技術そのものではなく、「変化にどれだけ素早く対応できるか」へと移りつつあります。
近年は、製造業をはじめ多くの業界でアジャイル開発の考え方が広がり、完成したものを一度納品して終わるのではなく、試しながら改善を繰り返す進め方が一般的になってきました。その結果、業務システムにも従来とは異なる役割が求められています。
本コラムでは、こうした時代背景を踏まえながら、DX時代のシステム開発で重要になる考え方と、なぜフルスクラッチ開発が有効な選択肢となるのかについて解説します。
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目次
【記事要約】ベアリング業界、生き残りの鍵は「技術提案のスピード」とアジャイル対応
製造業では、製品性能だけでなく、技術提案の速さが競争力を左右する時代へと変化している。顧客企業がアジャイル開発を採用するケースが増え、完成品を待つのではなく、設計や仕様の検討段階から迅速な提案や回答が求められるようになった。そのため、試作品や技術案を早期に提示し、顧客との対話を重ねながら開発を進める対応力が重要性を増している。こうしたスピード感への対応は、価格や品質だけでは実現できない新たな差別化要素となり、変化の速い市場で競争力を維持するための重要な取り組みとして位置付けられている。
出典:日本経済新聞「ベアリング統合、中国勢に挑む スピード提案磨き対抗 日本精工社長 市井明俊氏」2026年5月25日付朝刊
ポイントをひとことで
DXの成否を分けるのは、最初にどれだけ完成度の高いシステムを作れるかではありません。事業や顧客の変化に合わせて、小さく改善を積み重ねられる状態を維持できるかが重要です。そのためには、将来の変更を「例外」と捉えるのではなく、「必ず起こるもの」と考えて設計や開発を進める視点が欠かせません。システムは完成した瞬間から価値が決まるものではなく、改善を続けることで価値を高めていく資産です。目先の開発コストだけで判断するのではなく、変化への対応力まで含めて投資対効果を考えることが、長期的な競争力につながります。
DX時代は「完成度」よりも「変化への対応力」が求められる
かつてのシステム開発では、最初に要件を細かく整理し、すべての機能を決めてから開発を始める進め方が一般的でした。しかし現在では、市場環境や顧客ニーズの変化が非常に速くなっています。
例えば、
- 新しいサービスが次々と登場する
- AI技術が短期間で進化する
- 法制度が頻繁に改正される
- 顧客から新たな要望が継続的に寄せられる
このような状況では、開発開始時点で決めた仕様を数か月後まで維持することが難しくなっています。
つまり、「完成されたシステム」を作ることよりも、「変化に合わせて改善し続けられるシステム」を持つことが重要になっているのです。DXとは単にデジタル化を進めることではありません。
事業の変化に合わせて業務を継続的に改善できる環境を整えることこそが、本来のDXといえます。
アジャイル開発の普及がシステムに求めるものを変えた
アジャイル開発では、最初から100点の完成品を目指すのではなく、小さく作り、早く使い、改善を繰り返していきます。この考え方はソフトウェア開発だけでなく、製造業の商品開発やサービス開発にも広がっています。
顧客は完成を待つのではなく、
- まず試作品を見たい
- 機能を確認したい
- 改善案を一緒に検討したい
という要望を持つようになりました。
つまり、システムにも「変更しやすさ」が求められるようになっています。変更のたびに大規模な改修が必要になるシステムでは、こうしたスピード感に対応できません。DXを推進する企業ほど、将来の変更を前提としてシステムを設計する考え方を重視しています。
DXを止めるのはシステムではなく「変更のしにくさ」
「システムを導入したのにDXが進まない」
このような悩みは珍しくありません。
原因の多くは、システムそのものではなく、「変更に時間がかかること」にあります。
例えば、
- 項目を一つ追加するだけで数週間かかる
- 承認フローを変更するだけで大きな改修になる
- 他システムとの連携が難しい
- 新しい業務に合わせられない
こうした状態では、現場はシステムではなくExcelや紙で運用を補うようになります。
結果として、
- データが分散する
- 二重入力が発生する
- 属人化が進む
- DXが停滞する
という悪循環に陥ります。
DXを成功させるためには、変化を妨げないシステムを用意することが重要です。
フルスクラッチ開発は「改善し続ける」ことを前提にできる
パッケージソフトは短期間で導入できるというメリットがあります。
一方で、
- 業務を製品に合わせる必要がある
- 独自業務への対応に制限がある
- 将来的な拡張に制約がある
といった課題もあります。
事業が成長するほど、「この業務だけは自社に合わせたい」という要望が増えていきます。
フルスクラッチ開発では、自社業務に合わせたシステムを一から設計できます。
さらに重要なのは、「今の業務」だけではなく、「将来の改善」まで見据えて開発できることです。
例えば、
- 新しいサービス開始
- 新規事業への対応
- AIとの連携
- 他システムとのデータ共有
- 承認フローの変更
などにも柔軟に対応しやすくなります。DXは数年で終わる取り組みではありません。そのため、長期的な視点で改善を続けられる基盤を持つことが重要です。
AI活用でも重要なのは「素早く改善できる業務システム」
生成AIの活用が進み、多くの企業がAI導入を検討しています。しかし、AIだけ導入しても十分な成果が得られるとは限りません。
AIは、
- 正しいデータ
- 最新のデータ
- 業務に沿ったデータ
があって初めて価値を発揮します。
さらに、AIを活用する中で、「この情報も取り込みたい」「入力方法を変えたい」「分析項目を追加したい」といった改善要望が次々に出てきます。
ここで変更に時間がかかるシステムでは、AIの活用も思うように進みません。
逆に、柔軟に改善できる業務システムであれば、新しいAIサービスとの連携やデータ活用も段階的に広げられます。AI時代だからこそ、「変更できるシステム」が重要になるのです。
システム開発会社選びでも重視したい視点
システム開発会社を比較する際には、
- 開発実績
- 技術力
- 費用
に目が向きがちです。
もちろん、これらは重要です。
しかしDXを見据えるのであれば、それだけでは十分ではありません。
重要なのは、
- 将来の改善まで考えた設計になっているか
- 業務の変化を理解して提案してくれるか
- 運用開始後も改善を前提に伴走できるか
という視点です。
システムは完成した瞬間がゴールではありません。事業とともに成長し、改善を繰り返していくことで、本当の価値を発揮します。
そのためには、目先の機能だけではなく、長期的な視点でシステムを考えられるシステム開発会社を選ぶことが重要です。
DX成功の鍵は「改善を止めない仕組み」
DXは、一度システムを導入すれば完了する取り組みではありません。市場環境や顧客ニーズが変わり続ける以上、企業も改善を続ける必要があります。
だからこそ、
- 小さく始める
- 早く使う
- 現場の声を反映する
- 継続的に改善する
というサイクルを回せる環境が競争力につながります。
システムは、そのサイクルを支える重要な基盤です。
完成品を目指すよりも、変化に合わせて育て続けられる仕組みを持つことが、DX時代における大きな強みとなるでしょう。
まとめ
AIやアジャイル開発の普及により、企業にはこれまで以上に変化への対応力が求められています。
DXを成功させるためには、高性能なシステムを一度作ることよりも、事業や顧客の変化に合わせて継続的に改善できる環境を整えることが重要です。そのためには、変更しやすく拡張しやすい業務システムを選択し、運用を通じて改善を積み重ねられる体制を築くことが欠かせません。
これからのDXでは、「完成品」を目指す発想から、「素早く改善できる仕組み」を育てる発想へ転換することが、企業の競争力を左右する重要なポイントになるでしょう。
さいごに
DXでは、新しいシステムを導入すること自体が目的ではありません。事業や市場の変化に合わせて業務を改善し続けられる環境を整えることが、本当の価値につながります。そのためには、現在の要件を満たすだけでなく、将来の機能追加や業務変更にも柔軟に対応できるシステムを選ぶことが重要です。
当社フレシット株式会社では、お客様の業務内容や事業の方向性を丁寧に理解したうえで、一社ごとに最適なフルスクラッチ(オーダーメイド)のシステムを開発しています。既製品に業務を合わせるのではなく、お客様の業務に合わせたシステムをご提供することで、変化に応じた改善や機能拡張にも柔軟に対応できる環境づくりをご支援しています。
「将来の事業拡大を見据えたシステムを作りたい」「業務の変化に合わせて長く使い続けられるシステムを導入したい」とお考えでしたら、ぜひ当社フレシット株式会社へご相談ください。お客様のDXを支えるパートナーとして、事業の成長に寄り添うシステムをご提案いたします。
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著者プロフィール
フレシット株式会社 代表取締役 増田順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

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