to TOP
無料で相談する 資料を請求する

COLUMN コラム詳細

【AI時代の取引所が競う】「独自データ」の価値とは?競争力を生むシステムの作り方

AI時代に求められる、独自データを蓄積・活用できるシステム設計とは

2026-07-03

AIの急速な普及により、多くの企業が「AIをどう活用するか」をテーマに取り組みを進めています。しかし、近年のビジネスでは、AIそのものよりも「AIに何を学習・分析させるのか」が競争力を左右する時代へと変わりつつあります。

その象徴的な事例が、証券取引所のデータ戦略です。従来は売買手数料が主な収益源だった取引所が、今では独自の取引データを収集・活用するデータ事業へと軸足を移しています。AIによって一般的なデータの価値が相対的に下がる一方、他社には存在しない一次データの価値は、これまで以上に高まっています。

この考え方は金融業界だけに限りません。製造業、小売業、物流業、医療、建設業など、あらゆる業界で「独自データ」を継続的に蓄積できる企業が競争優位を築いています。

本コラムでは、AI時代に企業が持つべき「独自データ」とは何か、その価値を最大化するシステムの考え方について解説します。

>>フルスクラッチ(オーダーメイド)のシステム開発について詳細はこちら

【記事要約】AI時代の取引所、収益の鍵は代替困難な生の取引データへ

証券取引所の収益源は、上場や売買手数料中心の従来型モデルから、データ事業へ移りつつある。先行する英LSEGは、金融機関やトレーダーから得る生の取引データを集約し、サブスクリプション型で提供することで収益を拡大している。一方、AIの進化により、一般的なデータ販売は代替されるリスクが高まる。今後は、取引所ならではの模倣困難な一次データをどれだけ網羅的に集め、分析やリスク管理などの付加価値へつなげられるかが競争力を左右する。

出典:日本経済新聞「AI時代の取引所(上)証取変貌、データで稼ぐ」2026年5月13日付朝刊

ポイントをひとことで

AI時代のシステム投資では、「何を自動化するか」よりも、「どのような情報が自然に蓄積されるか」という視点が重要になります。データは後から集めようとしても、過去の業務や現場の判断は再現できません。そのため、システムは将来の分析やAI活用を見据え、日々の業務の中で価値ある情報を無理なく残せるよう設計することが求められます。目先の業務効率だけで投資判断を行うのではなく、数年後に企業の競争力となるデータ資産を育てられるかどうかが、システム開発の成否を左右する大切な判断基準になるでしょう。

AI時代は「AIを持つ企業」ではなく「データを持つ企業」が強い

数年前までは、「AIを導入すること」が競争力につながると考えられていました。

しかし現在では、高性能なAIはクラウドサービスとして誰でも利用できる時代です。つまり、AIそのものは差別化要素ではありません。企業ごとの差を生み出すのは、AIに入力されるデータです。

例えば、

  • 顧客の行動履歴
  • 商品の利用履歴
  • 現場で発生した作業実績
  • 保守・点検の履歴
  • 商談の経緯
  • 問い合わせ内容
  • 在庫や物流の実績

こうした情報は、それぞれの企業だけが保有する資産です。

同じAIを使っていても、蓄積されているデータが違えば、得られる分析結果や提案内容も大きく変わります。だからこそ、AI時代には「どれだけ独自データを持っているか」が企業の競争力になっています。

独自データは一朝一夕では作れない

独自データには、大きな特徴があります。それは、お金を出しても簡単には手に入らないことです。

例えば製造業であれば、

  • 不良品が発生した条件
  • 熟練作業者の判断
  • 設備の微細な異常
  • 保全履歴

これらは日々の業務からしか得られません。

物流業では、

  • 配送ルート
  • 配送遅延の原因
  • ドライバーごとのノウハウ
  • 荷待ち時間

小売業であれば、

  • 来店頻度
  • 商品の組み合わせ
  • キャンペーンごとの反応
  • リピート率

このような情報は企業の日常業務から少しずつ蓄積されていくものです。つまり、競争力はAIではなく、日々積み重ねられるデータによって育まれていきます。

データは「入力するもの」ではなく「自然に集まるもの」

データ活用というと、「社員に入力してもらえばよい」と考えられることがあります。しかし、入力負担が増えるほど現場では入力漏れや品質低下が起こります。

重要なのは、業務を行うだけでデータが自然に蓄積される仕組みを作ることです。

例えば、受発注システムを利用すれば、

  • 誰が
  • いつ
  • 何を
  • いくらで
  • どの顧客へ販売したか

という情報が自然に蓄積されます。

営業支援システムでは営業担当者が通常業務を行うだけで、

  • 商談期間
  • 提案回数
  • 成約率
  • 失注理由

などが蓄積されます。AIに価値を与えるのは、このような日常業務から自然に集まる高品質なデータです。

パッケージ製品では集められないデータもある

既製品のシステムは、多くの企業で利用できるよう標準化されています。そのため、「業界共通」「一般的な業務」には適しています。

一方で、企業独自の業務やノウハウまで十分に記録できるとは限りません。

例えば、

  • 独自の評価項目
  • 自社独自の工程
  • 特殊な承認フロー
  • オリジナルの商品管理方法

こうした情報は、標準機能では管理できないケースもあります。

結果として、Excelや紙による管理が残り、せっかく価値のある情報がデータとして蓄積されなくなってしまいます。これはAI活用という観点でも大きな損失です。

【関連記事】
Excel管理に限界を感じていませんか?脱Excelの方法を解説します。

フルスクラッチだから実現できるデータ設計

フルスクラッチ開発の大きな魅力は、「どのようなデータを集めたいか」からシステムを設計できることです。一般的には、業務をシステムへ合わせる発想になりがちです。

しかし、本当に重要なのは、「将来どのような分析をしたいか」「どのようなAI活用を考えているか」まで見据えて設計することです。

例えば、

  • 画像データ
  • センサーデータ
  • 音声データ
  • GPS情報
  • IoTデータ
  • 顧客行動データ

これらを業務データと組み合わせることで、AIがより高度な分析を行えるようになります。将来の活用まで見据えたデータ設計は、フルスクラッチならではの強みといえるでしょう。

データは蓄積するだけでは価値にならない

データを集めるだけでは十分ではありません。重要なのは、必要な時に活用できることです。

例えば、営業部門が持つ顧客情報と、サポート部門の問い合わせ履歴、さらに販売実績や契約情報が分かれて管理されていると、AIも十分な分析ができません。

部門をまたいでデータを連携し、必要な情報を一元的に活用できる環境を整えることが重要です。

また、データの入力ルールや更新ルールを統一することで、分析結果の精度も高まります。AI時代には、「データを持っている」だけでなく、「活用できる状態にしている」ことが競争力につながります。

将来の競争力は「データが集まるシステム」が決める

今後、多くのAIサービスはさらに高性能になり、利用コストも下がっていくでしょう。AIそのものでは差別化しにくくなる一方で、企業だけが保有する独自データの価値は高まり続けます。

だからこそ、システムを導入する際には、「業務を効率化できるか」だけではなく、「将来の競争力につながるデータを蓄積できるか」という視点を持つことが重要です。

システムは単なる業務効率化のためのツールではありません。企業の知見やノウハウを蓄積し、次の意思決定やAI活用につなげるための基盤でもあります。

まとめ

AI時代において競争力を左右するのは、AIを導入しているかどうかではなく、他社にはない独自データを継続的に蓄積・活用できるかどうかです。

そのためには、現場の業務に合わせて必要なデータを無理なく集められるシステムを整えることが欠かせません。さらに、将来の分析やAI活用まで見据えてデータを管理することで、その情報は企業にとって大きな資産となります。

システム開発を検討する際は、現在の業務効率だけでなく、「5年後、10年後にどのようなデータが企業の競争力になるのか」という視点を持つことが重要です。その視点を反映したシステムこそが、AI時代に価値を生み続ける企業の土台となるでしょう。

さいごに

AI時代において企業の競争力を左右するのは、AIツールそのものではなく、自社ならではの独自データを継続的に蓄積し、活用できる環境を持っているかどうかです。そのため、システム開発では現在の業務を効率化するだけではなく、「将来どのようなデータを資産として蓄積したいのか」という視点を持って設計することが重要になります。

当社フレシット株式会社では、既製品に業務を合わせるのではなく、お客様の業務内容や事業の強みを深く理解したうえで、フルスクラッチ(オーダーメイド)によるシステム開発を行っています。現場で日々生まれる情報を無理なく蓄積し、将来のデータ活用やAI活用まで見据えたシステムをご提案できることが当社フレシット株式会社の強みです。

「今の業務に合うシステム」をつくるだけでなく、「5年後、10年後の競争力につながるデータが自然と蓄積されるシステム」を実現したいとお考えでしたら、ぜひ一度、当社フレシット株式会社へご相談ください。お客様の事業にとって本当に価値のあるシステムを、一から丁寧に設計・開発いたします。

>>フルスクラッチ(オーダーメイド)のシステム開発について詳細はこちら

著者プロフィール

フレシット株式会社 代表取締役 増田順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

公式Xアカウントはこちら

CONTACT お問い合わせ

フルスクラッチのシステム開発会社フレシットへのお問い合わせ

REQUEST 資料請求

フルスクラッチのシステム開発会社フレシットへの資料請求